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2003年08月28日

【本】1973年のピンボール

1973年のピンボール

[著者]
 村上春樹
[出版]
 講談社文庫 \240(今は\371) P175 初1983/9
[初出]
 『群像』 1980年3月号掲載 同年6月単行本発行
[入手]
 BOOK・OFF 100円 16刷(1988/7)
[内容] (http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1831003 より)
 さようなら、3(スリー)フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。
 双子の姉妹との〈僕〉の日々。女の温くもりに沈む〈鼠〉の渇き。
 やがて来る1つの季節の終わり――
 『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く3部作のうち、大いなる予感に満ちた待望の第2弾。

[感想]

 風の歌を聴けの続きです。
 なんら深読みせずにたんたんと文章をあじわっただけですが、これもかなりいいです。 
 
[評価]
 《俺》☆☆☆★
 《奨》☆☆☆★

1973年のピンボール (講談社文庫)

投稿者 niimiya : 22:41 | コメント (0) | トラックバック

2003年08月27日

【本】半七捕物帳(二)

半七捕物帳(二)

[著者]
 岡本綺堂(おかもときどう)
[出版]
 光文社時代小説文庫 \600 P367 初1986/3
[入手]
 上野の古本屋で200円くらい(10刷 1996/10)
[内容](http://www.kobunsha.com/book/HTML/bnk_73230_5.html より)
 ご存知、半七老人が語る捕物談傑作集。著者綺堂が探偵役の半七に「江戸時代のシャーロック・ホームズ」
であれと願っただけに、奇怪な事件も、論理的な推理手法で解決されている。捕物帳の原典!「鷹のゆくえ」
「向島の寮」「小女郎狐」等十三編収録。(全六巻)
 本格推理小説と江戸の風物詩が一体となった文学史上の一大傑作、より読みやすく新装刊。

[感想]

 1巻よんでから1年以上たってしまった。
 2巻が長いことみつからなかったので、
 WEB(↓参照)で途中まで読んでたんだけど、
 やっぱり紙じゃないとダメダネ~
 先日上野の古本屋でみつけたので、買ってきました。
 やっぱおもろいなぁ…

 3巻~5巻はすでに購入済みなんですが
 全部で6冊しかないんだから、大事に読まなきゃ
 とりあえず1年後か…な。

 ちなみに著作権はとっくにきれているので、青空文庫で全作品よめます。↓
 http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person82.html#sakuhin_list_1

[評価]
 《俺》☆☆☆
 《奨》☆☆☆

半七捕物帳〈2〉 (光文社時代小説文庫)

投稿者 niimiya : 22:40 | コメント (0) | トラックバック

【マンガ】増補 ハナコ月記

増補 ハナコ月記

[著者]
 吉田秋生(よしだあきみ)  ←『BANANA FISH』の人。
[出版]
 ちくま文庫 \680 P141 初1996/12
[初出]
 『Hanako』 1988年6月9日号~1994年9月29日号 掲載
[入手]
 BOOK・OFF 100円

[感想]
 ハナコでなが~~いこと連載されてた漫画エッセイでやんす。(毎月2P)
 20代後半同棲カップル ハナコさんとイチローさんの生活が描かれてます。

 なかなか男女の機微を上手に捉えてたりするので、ボンクラな私なんざが読むと
 女心がちょっとわかった(ような気)がしたりして・・・

 連載が続くにつれてイチローさんがだんだんとオジサン化してくるんだけど、
 それでも俺より年下なんだよなぁ
 う~~む、まいった。

 連載してた時期が時期だけに、時代を感じさせることも描いてあったりもします、
 スキーしにいって苗場まで渋滞で15時間かかったとかね。^^;

[評価]
 《俺》☆☆☆
 《奨》☆☆☆
 
ハナコ月記 (ちくま文庫)

投稿者 niimiya : 22:38 | コメント (0) | トラックバック

2003年08月26日

【本】新耳袋 現代百物語 第一夜

新耳袋 現代百物語 第一夜

[著者]
 木原浩勝 中山市朗
[出版]
 角川文庫 \590 P297 初版2002/6 (オリジナルは1998/4 メディアファクトリーより)
[入手]
 新刊購入
[内容]( http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200106000697 より)
 古来より百話を完結させると怪しいことが起こると語り継がれる「百物語」。
現代を代表する怪異蒐集家、木原・中山両氏が命懸けで取材した怪異現象の数々を収録した稀代の怪談実話集!

[感想]
 実話風の怪談が99話!

 もともとはA5版くらいで出ていたものの文庫化です。
 オリジナルのほうはちょくちょく立読みしてたんですが、
 文庫版が出てたので買ってみました。
 当然、前半は立読みしていたので、うっすらと覚えている話ばっかりでした。
 そのうち知らない話も出てくるだろうとおもって読んでいたんだけど、これがいっこうに出てこない。
 あれよ、あれよというままに、そのままあとがきに突入してしまった…
 これも怪談か?とおもいきや・・・
 単に立読みのときに読みきってただけでした。

 オチのある怪談(「後で知った話ですが、その場所では…」みたいなのが入るやつ)はよう読まんのですが、
 この本にのってるようなオチのない話はいいねぇ
 星新一のショートショートのようにナイトキャップのように気軽に読めますわい。

 ちなみにタイトルの元になっている「耳袋」ってのは江戸時代に根岸鎮衛(やすもり)という人が江戸の怪異を聞き集めて編纂したものです。
 それの平成版ちゅうこっちゃね。

[評価]
 《俺》☆☆☆
 《奨》☆☆★

[引用](P82 第三章より)

 第二六話

 ある雪の降った朝。アニメーターのOさんは都内を歩いていて妙なものを見つけた。
 人間が入り込むのは不可能と思えるビルとビルの狭い隙間に、うっすらと雪が積もって
いる。その真ん中にぽつっと、子供の素足の足跡がひとつだけついていた。


新耳袋―現代百物語〈第1夜〉 (角川文庫)

投稿者 niimiya : 22:37 | コメント (0) | トラックバック

2003年08月25日

【本】ニッポンの猫

ニッポンの猫

[著者(写真と文)]
 岩合光昭 (いわごう・みつあき)
[出版]
 新潮文庫 \590 P162 2003/8(文庫)オリジナルは2000/3
[入手]
 新刊購入
[内容] (http://shinchosha.co.jp/cgi-bin/webfind3.cfm?ISBN=119816-0 より)
 愛おしい。何回見ても、もっと見た~い。 
地球上どこへ行っても、気にするのはそこに猫がいるかいないか、この可愛さをどうしたらうまく写真に撮れるんだろう──猫は世界のイワゴ

ーの原点です。ヒトと深く関わりながら生きてきたニッポンの猫を求めて、北海道から沖縄まで日本中を歩きました。谷中の墓地猫、東大寺の

二月堂猫、ニッポンの猫は古い町によく似合います。その〈かわいい〉を、たっぷりとお楽しみください。

[感想]
 猫の可愛い写真と他愛ない文からなる本など世に腐るほど氾濫しておりますが。
(そもそも、猫の写真なんてもんはどんなもんでも可愛いにきまっとるのだ・・・)
 この本はそんじょそこらの猫写真本とはワケが違うね。
 南は沖縄から北は函館までイワゴーさんが猫をさがして旅をした結果、その土地土地の顔をした猫写真集が出来上がってます。
 猫なんてどこでとろうが同じじゃねーかって思う人もおるかもしれんが、
 猫とその土地との関係性も同時にフィルムに収められておるんですなぁ
 うそだと思ったら↓の立読みのURLいって竹富島の猫をみてみんしゃれー

[評価]
 《俺》☆☆☆★
 《奨》☆☆(まぁ猫バカのいうことですから)
 
ニッポンの猫 (新潮文庫)

投稿者 niimiya : 22:35 | コメント (0) | トラックバック

2003年08月23日

【本】カメレオンは大海を渡る

カメレオンは大海を渡る
 サイエンス・コラム110

[著者]
 橋元 淳一郎
[出版]
 早川文庫 NF276 \693 P293 2003/6
[内容] (http://www.hayakawa-online.co.jp より)
 [サイエンス・コラム110〕幽体離脱時に活性化する脳の部位とは? 鳥の祖先は4枚翼の恐竜だった? 植物の葉緑体は強い光を当てる

と逃げる? ナノテクで原子のメビウスの輪ができた!?……小説よりも奇なる研究成果のオイシイところを、軽やかな文章にくるんで振舞う、

大好評サイエンス・コラム集第2弾。

[感想]
 いつの時代もサイエンスの一番おもしろところは学校の教科書にのっているところではなく、その最先端の部分なわけです。
いろんな内容の論文が出され、反証されたり追試保証されたりして、やがて証明されていくわけですが、
その一番おもしろいところを、抽出してわかりやすく解説してくれてるのが本書。
 先端の話なんで中には間違ってるものもあると思われますが、それもふまえて断定調をさけあくまでサイエンティストの目線からの紹介が小気味いいっす。
 1年遅れくらいで、この本のネタを特命リサーチとかでやったりするんだろうなぁ…
 人類のミッシングリンクがみつかった話とEPRパラドックスの話が面白かったです。
 表題にまつわる話も同然のっておりますヨ。

[評価]
 《俺》☆☆☆★
 《奨》☆☆☆

[引用](P56 1-5 人類はどこから来たのか)
 (前略)
 ところが、2001年にチャドで発掘されたサヘラントロプス・チャデンシスは学界により大きな波紋を投げかけた。
 まず、この猿人の化石はラミダスやオロリンよりさらに古く、およそ670万年前のものと判明した。つまりヒトとチンパンジーが分岐してか

らすぐに誕生した、いわば最古の人類と呼ぶべきものなのである。
 しかし、より大きな問題は、発見された場所である。チャドは、アフリカの中央部にあり、有名な東アフリカ大地溝帯より2500キロも西なの

である。これまでの猿人の化石は、すべて東アフリカ地溝帯より東で見つかっており、人類は東アフリカで誕生したというのが定説である。
 何らかの理由で大地溝帯を東に渡ったチンパンジーが独自に進化して、ヒトになったと考えられているのである。
 ところが、最古の人類であるサヘラントロプスが大地溝帯より西にいたとなると、人類東アフリカ誕生説が根本的に覆されることになる。こ

うして、人類進化の筋書きは大混迷に陥ることとなったのである。
 (後略)

カメレオンは大海を渡る―サイエンス・コラム110 (ハヤカワ文庫NF)

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2003年08月18日

【本】陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)
著者: 京極夏彦
出版: 講談社ノベルズ \1500 P750 2003/08/08

●内容(shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1822934 より引用)
凄い!京極小説。
あの「夏」の衝撃が甦る。未体験の京極ワールド。
白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」は、主の5度目の婚礼を控えていた。過去の花嫁は何者かの手によって悉く初夜に命を奪われ

ているという。花嫁を守るよう依頼された探偵・榎木津礼二郎は、小説家・関口巽と館を訪れる。ただ困惑する小説家をよそ

に、館の住人達の前で探偵は叫んだ。――おお、そこに人殺しがいる。

●感想
正直言って期待はずれ・・・
理由は…

 1.オチが読めすぎ…著者も犯人を隠す気はないんだろうけど、動機の部分もかなり読めてしまってねぇ
  こっちの想像を越えるラストを期待してただけに、ちょっとがっかり

 2.今回の妖怪「陰摩羅鬼」が中国(宋代「清尊禄」)から直輸入されてほとんど変化がないので、
  お楽しみの妖怪謎解きがあんまりないのよね(かわりに産女の謎解きがありましたが)
  
 3.個人的に今回の題目の儒教(儒学)にあんまり興味ないんだよねぇ。
  林羅山の陰謀とかいわれても燃えないっす…

 4.京極堂の憑き物おとしの切れ味がわりぃ。
  いつものカタルシスがないのさ、伯爵はしょうがないにしても、伊庭さんの憑き物をズバっと落としてほしかったなぁ。

 5.人物関係が淡白!
  もっともっと、いっぱいのヒトだして、ごちゃごちゃしてもらわんとぉぉ!!
  

 結局、私がこのシリーズでいちばん好きなところは、さまざまに錯綜するいくつものプロットが終局で見事に収束するところなのですよ。
今回は屋敷のなかでの出来事が主なため錯綜具合がたりなかったなぁ

とはいえ、関口君を治療するためには本作が必要だったのかもしれないねぇ
うむうむ。
邪魅の雫に期待じゃ!!

いつになく、読んでないヒトにはわからん感想で、スマン。

●評価
《俺》 ☆☆☆
《薦》 ☆☆☆(未経験者はウブメの夏から読みましょう)

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)

文庫版↓
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)

投稿者 niimiya : 22:32 | コメント (0) | トラックバック