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2003年08月23日
【本】カメレオンは大海を渡る
カメレオンは大海を渡る
サイエンス・コラム110
[著者]
橋元 淳一郎
[出版]
早川文庫 NF276 \693 P293 2003/6
[内容] (http://www.hayakawa-online.co.jp より)
[サイエンス・コラム110〕幽体離脱時に活性化する脳の部位とは? 鳥の祖先は4枚翼の恐竜だった? 植物の葉緑体は強い光を当てる
と逃げる? ナノテクで原子のメビウスの輪ができた!?……小説よりも奇なる研究成果のオイシイところを、軽やかな文章にくるんで振舞う、
大好評サイエンス・コラム集第2弾。
[感想]
いつの時代もサイエンスの一番おもしろところは学校の教科書にのっているところではなく、その最先端の部分なわけです。
いろんな内容の論文が出され、反証されたり追試保証されたりして、やがて証明されていくわけですが、
その一番おもしろいところを、抽出してわかりやすく解説してくれてるのが本書。
先端の話なんで中には間違ってるものもあると思われますが、それもふまえて断定調をさけあくまでサイエンティストの目線からの紹介が小気味いいっす。
1年遅れくらいで、この本のネタを特命リサーチとかでやったりするんだろうなぁ…
人類のミッシングリンクがみつかった話とEPRパラドックスの話が面白かったです。
表題にまつわる話も同然のっておりますヨ。
[評価]
《俺》☆☆☆★
《奨》☆☆☆
[引用](P56 1-5 人類はどこから来たのか)
(前略)
ところが、2001年にチャドで発掘されたサヘラントロプス・チャデンシスは学界により大きな波紋を投げかけた。
まず、この猿人の化石はラミダスやオロリンよりさらに古く、およそ670万年前のものと判明した。つまりヒトとチンパンジーが分岐してか
らすぐに誕生した、いわば最古の人類と呼ぶべきものなのである。
しかし、より大きな問題は、発見された場所である。チャドは、アフリカの中央部にあり、有名な東アフリカ大地溝帯より2500キロも西なの
である。これまでの猿人の化石は、すべて東アフリカ地溝帯より東で見つかっており、人類は東アフリカで誕生したというのが定説である。
何らかの理由で大地溝帯を東に渡ったチンパンジーが独自に進化して、ヒトになったと考えられているのである。
ところが、最古の人類であるサヘラントロプスが大地溝帯より西にいたとなると、人類東アフリカ誕生説が根本的に覆されることになる。こ
うして、人類進化の筋書きは大混迷に陥ることとなったのである。
(後略)
投稿者 niimiya : 2003年08月23日 22:34
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