« 【本】尻啖え孫市 | メイン | 【本】カメレオンは大海を渡る »

2003年08月18日

【本】陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)
著者: 京極夏彦
出版: 講談社ノベルズ \1500 P750 2003/08/08

●内容(shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1822934 より引用)
凄い!京極小説。
あの「夏」の衝撃が甦る。未体験の京極ワールド。
白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」は、主の5度目の婚礼を控えていた。過去の花嫁は何者かの手によって悉く初夜に命を奪われ

ているという。花嫁を守るよう依頼された探偵・榎木津礼二郎は、小説家・関口巽と館を訪れる。ただ困惑する小説家をよそ

に、館の住人達の前で探偵は叫んだ。――おお、そこに人殺しがいる。

●感想
正直言って期待はずれ・・・
理由は…

 1.オチが読めすぎ…著者も犯人を隠す気はないんだろうけど、動機の部分もかなり読めてしまってねぇ
  こっちの想像を越えるラストを期待してただけに、ちょっとがっかり

 2.今回の妖怪「陰摩羅鬼」が中国(宋代「清尊禄」)から直輸入されてほとんど変化がないので、
  お楽しみの妖怪謎解きがあんまりないのよね(かわりに産女の謎解きがありましたが)
  
 3.個人的に今回の題目の儒教(儒学)にあんまり興味ないんだよねぇ。
  林羅山の陰謀とかいわれても燃えないっす…

 4.京極堂の憑き物おとしの切れ味がわりぃ。
  いつものカタルシスがないのさ、伯爵はしょうがないにしても、伊庭さんの憑き物をズバっと落としてほしかったなぁ。

 5.人物関係が淡白!
  もっともっと、いっぱいのヒトだして、ごちゃごちゃしてもらわんとぉぉ!!
  

 結局、私がこのシリーズでいちばん好きなところは、さまざまに錯綜するいくつものプロットが終局で見事に収束するところなのですよ。
今回は屋敷のなかでの出来事が主なため錯綜具合がたりなかったなぁ

とはいえ、関口君を治療するためには本作が必要だったのかもしれないねぇ
うむうむ。
邪魅の雫に期待じゃ!!

いつになく、読んでないヒトにはわからん感想で、スマン。

●評価
《俺》 ☆☆☆
《薦》 ☆☆☆(未経験者はウブメの夏から読みましょう)

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)

文庫版↓
文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)

投稿者 niimiya : 2003年08月18日 22:32

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://niimiya.akatsukinishisu.net/mt3/mt-tb.cgi/1869

コメント

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)