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2003年10月20日

【本】濃厚民族 15大対談集

濃厚民族 15大対談集

[著者]
 浅草キッド
[出版]
 スコラマガジン P316 \1500 初2003/10
[入手]
 新刊 初版  
[内容](上記URLより)
 15大対談
 深作欣二氏,田原総一朗氏,山城新伍氏,テリー伊藤氏,力也氏,松井章圭氏,古舘伊知郎氏,百瀬博教氏,
 石倉三郎氏,佐々淳行氏,野村克也氏,甲本ヒロト氏,高橋がなり氏,萩本欽一氏,ビートたけし氏

[感想]
 普段は雑誌の対談記事でさえ滅多に読まないのに、何を考えたんだが対談集を買っちまいましたよ。
 TV見てても思うけど、浅草キッドのヨイショの仕方はすでに芸だなぁ、
 現代の幇間(ほうかん いわゆる「たいこもち」ね)といってもいいかもしれん。
 この本も読んでて、対談相手がキッドにのせられていい気分になってるのがビシビシ伝わってきますわい。
 キッドの二人もちゃんと相手のこと勉強してるしなぁ
 
 濃い~オジサン達(ヒロトのぞく)の自慢話が延々続くんで、向いてない人にはダメかもね。
 (おれも正直あまり得意じゃないし…)
 まぁ本屋で見かけたら、自分の興味のある人のとこだけ立読みするくらいのがいいかも…

[評価]
 《俺》☆☆★
 《奨》☆★

濃厚民族

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2003年10月19日

【本】砂の女

砂の女

[著者]
 安部公房
[出版]
 新潮文庫 初1981/2 \476 P268
[初出]
 新潮社より単行本刊行 1962/6
[入手]
 新刊 54刷(2003/5) 
[内容](上記URLより)
 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。
 家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。
 ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。

[感想]
 作品の本質とは何ら関係が無いのですが、活字でかすぎ行間もとりすぎで、読みにくいったらありゃしない。
 安部のような作家は小さな字がギチギチにつまってないとイマイチ読む気がしねー。 
 読みやすいレイアウトなんて人それぞれだから、単なるエゴなんですがね…
 まぁ内容に引き込まれてしまえば、そんなことは気にならなくはなるんですが、今回はそうじゃなかったと。 
 前に読んだ狸でてくるやつ(『壁』か?)のが私にゃむいてましたな。
 後半はほとんど斜め読み…

[評価](後半飛ばし読みのため)
 《俺》―
 《奨》―

砂の女 (新潮文庫)

投稿者 niimiya : 23:57 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月15日

【本】ぼくの浅草案内

ぼくの浅草案内

[著者]
 小沢昭一(おざわ・しょういち)
[出版]
 ちくま文庫 初2001/10 P201 \880  
[初出]
 講談社より単行本刊行 1978/6
[入手]
 新刊 2刷(2002/11) 
[内容](裏表紙より)
 当代きっての浅草通・小沢昭一による、浅草とその周辺の街案内。東京の川が埋め尽くされる中、ここには川がある。
 露地や横町には人のぬくもりがあり、歴史と人情とうまいもの、そして芸能と”いろ”のにおいが色濃く漂う。
 「浅草の街にまぎれこむと、私の心はじんわりと休まる」そんな街を限りない郷愁をこめて描く。伝説の名著が今、よみがえる!

[感想]
 小沢昭一の浅草案内。
 小沢昭一がわからない人はグーグルででも写真さがしてください、顔みれば思い出します。)
 初刊行が78年なので情報はだいぶ古くなってしまっていますが、そんなことは気にしちゃいけません。
 その辺のガイドブックなんかよりよっぽど浅草が好きになれること請け合い。
 いますぐ、浅草にいきたくなるなぁ 
 筑摩は岩波ほど固くないんだけど、いい本を復刻してくれると思います。
 そんな出版社に応える意味でも定価で買いたい本。
 ひとつ残念なのは、著者が下戸なので、居酒屋の案内がほとんどないこと。
 神谷バーですら、本編では触れてないのだ…
 無念。

[引用](P158より)
 田原町の地下鉄を出て浅草に向かおうとすると、すぐに左に焼ソバ屋が二軒並んでいて、戦後ずうっとソースの湯気が道に流
れ出ている。私は田原町といえばあの焼ソバのニオイを想い出す。浅草は、まず焼ソバのソースを嗅いで入って行く町であった。 

[評価]
 《俺》☆☆☆☆
 《奨》☆☆

ぼくの浅草案内 (ちくま文庫)

投稿者 niimiya : 23:51 | コメント (0) | トラックバック

2003年10月13日

【本】小さき者へ・生れ出づる惱み

小さき者へ・生れ出づる惱み

[著者]
 有島武郎(ありしま・たけお)
[出版]
 新潮文庫 初1955/1 P94  
[入手]
 古本 50円 7刷(1957/3) 

[感想]
 神田の古本屋の店頭ワゴンから買いました、大分年季の入った文庫本で、中身も旧仮名でした。
 しかし、彼の文体には旧仮名旧字があっていて実にいいです。
 有島武郎は今まで読んだことがなくて、もっとドロドロした情念の世界を描いている人かと思っていましたが。
 この二作品に関しては、人間の善なる部分、高貴な側面を描いています。
 近頃、心が荒れてたので、その荒廃に、砂漠に降った雨のように染み入りました。
 お奨めです。
 機会があれば、「小さき者へ」だけでもいいので是非読んでみてください。
 
[評価]
 評価  ☆☆☆☆(満点)
 お薦め ☆☆☆☆

[引用] (小さき者へ P15より)
 愈々H海岸の病院に入院する日が來た。お前たちの母上は全快しない限りは死ぬともお前たち
に逢はない覺悟の臍(ほぞ)を堅めてゐた。二度と着ないと思はれる。――而して實際着なかつた――晴
着を着て座を立つた母上は内外の母親の目の前でさめざめと泣き崩れた。女ながらに氣性の勝(すぐ)れ
て強いお前たちの母上は、私と二人だけゐる場合でも泣顔などは見せた事がないといつてもいゝ
位だつたのに、その時の涙は拭くあとからあとから流れ落ちた。その熱い涙はお前たちだけの尊
い所有物だ。それは今は乾いてしまつた。大空を亙(わた)る雲の一片となつてゐるか、谷河の水の一滴
となつてゐるか、大洋の泡の一つとなつてゐるか、又は思ひがけない人の涙堂に貯へられてゐる
か、それは知らない。然しその熱い涙は兎も角もお前たちだけの尊い所有物なのだ。

小さき者へ・生れ出づる悩み (新潮文庫)

投稿者 niimiya : 23:48 | コメント (0) | トラックバック