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2008年08月23日
【本】覗き小平次
覗き小平次
著者:京極夏彦
装丁:造形製作 荒井良、デザイン FISCO
解説:宇月原晴明
出版:角川文庫 き 26-12 ¥629 P407
版数:初版2008/6
ISBN:978-4-04-362006-7
初出:2005/2 中央公論社 C★NOVELS
入手:新刊購入
読んだ日:2008/8/16
■内容(カバーより)
押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。ある時、旅巡業の声がかかるが、それは凝り続けた愛と憎しみが解き放たれる修羅の幕開けであった。女房・お塚をはじめ、小平次の周りに蠢く生者らの欲望、悲嘆、執着が十重二十重に渦巻き絡み合い炸裂し――やがて一つの異形の愛が浮かび上がる。人間という哀しい華が圧倒的に咲き乱れる、これぞ文芸の極み。古典怪談に材を取った『嗤う伊右衛門』に続くシリーズ第二弾。
■感想
小平次ものってのはオリジナルをよくしらないんのですが、悪妻と間男に殺された幽霊役者が化けて出るって話ですよね、たぶん。
前作の『嗤う伊右衛門』同様、設定は押さえつつ京極流に新しい物語に仕上がっています。
もとの話が話しだけに、伊右衛門のように綺麗にできあがってはないような気もしますが、なかなか読ませてくれます。
小平次、お塚、多九郎、歌仙、動平と登場人物それぞれが複雑な内面を持っているんですが、だれにも共感できんかった。
彼らを通して人の在ること、在り様(ハイデガーっぽく言うならSeinか?)を描こうとしたのではないかと感じました。
ちなみに『怪』シリーズの又市が直接は登場しないのですが、裏で仕掛けをやっています。事触れ治平は堂々と登場。
■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆☆
《薦》☆☆☆
投稿者 niimiya : 2008年08月23日 17:55
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