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2007年01月14日
【本】李陵・山月記
李陵・山月記
著者:中島敦
解説:瀬沼茂樹
注解:吉田精一
出版:新潮文庫 草-77 P115 ¥140 シ初版1969/9 13刷1976/6
入手:BOOK・OFF ¥105
■内容(カバーより):
中島敦は、幼時よりの漢学の教養と広範な読書から得た独自な近代的憂愁を加味して、知識人の宿命、孤独を唱えた作家で、三十四歳で歿した。彼の不幸な作家生活は太平洋戦争のさなかに重なり、疑惑と恐怖に陥った自我は、古伝説や歴史に人間関係の諸相を物語化しつつ、異常な緊張感をもって芸術の高貴性を現出させた。本書は中国の古典に取材した表題作のほか『名人伝』『弟子』を収録。
■収録:
山月記
名人伝
弟子
李陵
■感想
「山月記」は、国語の教科書にのってたか、読書感想文の宿題の対象になってたかして、若い時分に読んだ記憶があります。
当時は随分奇妙な話だなとしか思いませんでしが、あらためて読んでみると、余計なものが一切ない文章が虎に変身してしまった男の痛切と、古き友の哀憫を見事に描きだしてますなぁ。
収録作はどれも、良かったですが、子路に視点をあわせて孔子一門を描いた「弟子」が一番気に入りました。
また、最近ちょこちょこと史記読んでるので、「李陵」の中でで描かれる司馬遷が興味深かったです。
しかし、作者は今の私とほぼ同じ歳で夭逝してしまったのですね…
中国古典の英雄のように短い人生でありました…
合掌。
■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆☆★
《薦》☆☆☆
投稿者 niimiya : 2007年01月14日 23:10
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