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2007年01月14日
【本】山伏地蔵坊の放浪
山伏地蔵坊の放浪
著者:有栖川有栖
表紙・挿絵:北見隆
解説:戸川安宣
出版:創元推理文庫 M-あ-2-4 P345 ¥640 初版2002/7
ISBN:4-488-41404-4
入手:BOOK・OFF ¥105
■内容(カバーより):
地蔵坊先生お気に入りのカクテル『さすらい人の夢(ボヘミアン・ドリーム』の二杯目が空く頃、物語は始まる。土曜の定例会で山伏の先生が聞かせてくれる体験談ときたら、ローカル線の犯人消失、崖に住む新興宗教家の死、トリュフに端を発する真夏日の事件、雪と共に降って湧いた博士邸の怪など、揃いも揃って殺人譚。ことごとく真相を看破したという地蔵坊が、名探偵行脚さながらの見聞を語る七話を収録。
■収録(初出):
ローカル線とシンデレラ (コットン)
仮装パーティーの館 (コットン)
崖の教祖 (小説NON)
毒の晩餐会 (コットン)
死ぬ時はひとり (コットン)
割れたガラス窓 (小説推理)
天馬博士の昇天 (書き下ろし)
■感想
主人公が山伏ってのが新しいです。
で、その山伏が酒場でとりまいた皆に語るというスタイルなんで、実際ありえないような設定でも、なんとなくまぁ納得させられるという仕掛け。
実際、作品の中でも聞き手は実際にあったかどうかはともかく面白い話として受け取ってるスタンスです。
まず、これこれこういう事件に巻き込まれたと、あらましを語って、後半謎解きすることになってまして、謎解きの前には聞き手(と読者)がいろいろ考えるのですな。
でも、私はまったく考えずにすぐ答えを知りたがっちゃう性分なもんで、こういうパズル系の推理小説とはどうも相性が悪いのですよねぇ…
そんなわけで、この作品にもあんまりのめりこめなかったかな。
主人公のモデルは実際に山伏の修行をしていた編集者で、この本の解説書いてる人がズバリその人だそうな。
なお解説によると、探偵が一人称で語る推理小説(しかもシリーズ通して)というのは珍しいらしいです。
たしかに言われてみると、心当たりないね。
■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆
《薦》☆☆
投稿者 niimiya : 2007年01月14日 22:31
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