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2005年03月10日
【本】玉川兄弟 江戸上水ものがたり
玉川兄弟 江戸上水ものがたり
[著者]杉本苑子
[出版]文春文庫す-1-19 初版1994/12 ¥670
[初出]新聞「赤旗」連載1973/4~1974/5。 単行本 朝日新聞社 1975 ※絶版
[入手]古本 初版 ¥320
[内容](カバーより)
若年ながら包容力のある穏和な兄・庄右衛門。男気で人を集めるいな
せな弟・清右衛門。二人を玉川上水開鑿に駆り立てたものは何か!?
立ちはだかる自然の猛威に二度も工事中断を強いられながら、幕府
の仕掛けた思わぬワナ、信頼する普請奉行の切腹など多くの困難を
乗り越え、江戸に命の水をひいた兄弟の感動巨編
[感想]
玉川から水不足の江戸まで上水をひっぱてきた兄弟の話です。
工藤兄弟、吉田兄弟、堂本兄弟、LLブラザースと世に兄弟は多かれど(兄弟じゃないのも入ってますが)、兄弟界の元祖といったらなんといっても玉川兄弟ですわな。あ、蘇我兄弟のが古いか…
えーたわごとはさておき、歴史・時代小説というと、史実の解説などに重きをおき、半分ノンフィクションっぽいのもありますが、この作品はかなり創作部分の比重が大きかったです。
もっと史実に即してるほうが好きなんですが、あとがきを読むとそもそも玉川兄弟に関する資料ってのはあんまり残ってないみたいですね。
小説に徹している分、逆に普段、現代小説しか読まない人にもとっつきやすいかもしれません。
余談ですが、先日、三鷹のほうまで自転車でぷらぷら行った折に、玉川上水脇を通りましたが、お役目を終えた今はちょろちょろとしか流れていないんですねぇ…
あれでは太宰さんもくるぶしくらいまでしかつかれなそうです…
まぁそんなわけで(?)、お薦め度ちゅうくらい。
[評価]
《俺》☆☆★
《薦》☆☆☆
投稿者 niimiya : 2005年03月10日 00:37
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