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2004年11月05日
【本】戦争と平和(三)
戦争と平和(三)
[著者]トルストイ
[訳者]米川正夫
[出版]岩波文庫 赤618-3 \500 P622 改版1刷 1984/10
[入手]祖父蔵書(1985/2/20)
[内容](カバーより)
1812年、ナポレオンの大軍は怒涛のごとくロシヤの曠野になだれこんだ。ボロジノ平
原に衝突した両軍の凄絶な戦いに、ロシヤ民族の底に秘められたたくましい力は、ついに
常勝のフランス軍を打ち破るが、激戦のさなか、アンドレイは砲弾に倒れる。
■感想
遂にフランス軍がロシヤに侵入し、モスクワまで迫る。
それぞれの人生を抱えながら、否応無く戦火に巻き込まれていくお馴染みの面々。
戦争の趨勢を軍を指導する英雄に帰納させず、全ての人間の衝動の必然と見る著者の歴史観が強く現れてきました。
頷く部分多し。
■評価
[評価]
《俺》☆☆☆☆
《薦》☆☆☆★
■引用(P12)
人間は意識的には自己のために生活している。けれど歴史的、全人類的目的を達するためには、
無意識的な道具となって働いている。いったん行われた行為は二度とかえらない。そして時間
のなかで、他人の数限りなき行為と合して、一つの歴史的意義をおびてくる。人間は社会的階段
の高みに昇れば昇るだけ、また多くの人に結び合わされればされるだけ、ますます他人に対して
権力を持ち、その行為の決定性と必然性とがますます明瞭になる。
「王者の心は神の掌中にあり。」
王は――歴史の奴隷である。
歴史、すなわち人類の無意識的、社会的、集団的生活は、王の生活のあらゆる瞬間を自分のた
め、自分の目的を達するための道具として用いるものである。
投稿者 niimiya : 2004年11月05日 00:10
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