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2004年07月09日

【本】芭蕉臨終記 花屋日記

芭蕉臨終記 花屋日記
[著者]文曉
[校訂]小宮豊隆
[出版]岩波文庫 黄246-1 \250 P102 初1935/10  【絶版】
[入手]祖父蔵書 11刷(1986/4)
[収録]
 花屋日記
 芭蕉翁終焉記(其角)
 前後日記(支考)
 行状記(路通)

[内容](カバーより)
 芭蕉翁最後の旅・病中・終焉・葬送・追悼・遺物などについて、
 翁を囲む門人たちの手記・物語・書簡を日記体で記したもの。

[感想]
 花屋でアルバイトしながら、舞台役者としての成功を夢見る若者の話…
 ではなくて、芭蕉が旅の途中で倒れそのまま不帰の人となった花屋の主人が芭蕉の最後を綴った日記、
 と見せかけて、その実、江戸後期の文曉って人が書いた真っ赤なニセモノ。
 
 ニセモノとはいえ、芭蕉の人柄が偲ばれてねぇ
 しんみりさせてくれるんだこれが…
 まぁ「芭蕉に興味が!!」って人以外には全くお薦めはしませんが… ^^;
 
 ちなみに弟子達(十哲ってやつか?)によるホンモノの臨終記も収められてますのでご安心を(?)
 
[評価]
《俺》☆☆★
《薦》★

[引用](P23より)
  大勢の集會なりければ、よろこび興じて師を慰め申しけり。木節、
 去來に申けるは、今朝御脈を伺見申に、次第に氣力も衰給ふと見え
 て、脈體わろし。最初に食滞より起りし泄瀉なれども、根元脾腎の
 虚にて、大虚の痢疾なり。故に逆逸湯主方なり。猶又加減して心を
 直すといえども、薬力とゞかず。願はくは、治法を他醫にもとめん
 とおもふ。去來、師にまうす。師曰、木節が申條尤なれども、いか
 なる仙方ありて虎口龍鱗を醫すとも、天業いかんかせん。我かく悟
 道し侍れば、我呼吸の通はん間は、いつまでも木節が神方を服せむ。
 他に求むる心なしとののたまひける。風流・道徳人みな間然すること
 なし。
 
芭蕉臨終記花屋日記―附・芭蕉翁終焉記・前後日記・行状記 (岩波文庫 黄 246-1)
芭蕉臨終記花屋日記―附・芭蕉翁終焉記・前後日記・行状記 (岩波文庫 黄 246-1)

投稿者 niimiya : 2004年07月09日 22:48

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