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2009年09月30日

【本】朝霧

朝霧

著者:北村薫(きたむら かおる)
装画:高野文子
出版:創元推理文庫 M き 3 5 ¥560 P247
版数:初版2004/4、再版2004/5
ISBN:4-488-41305-6
初出:オール讀物1995~1997、東京創元社 単行本刊行1998年
入手:新刊購入(Amzon)
読んだ日:2009/9/27
感想書いた日:2009/9/28

■内容(カバーより)
前作『六の宮の姫君』で着手した卒業論文を書き上げて、巣立ちの時を迎えたヒロインは、出版社の編集者として社会人生活のスタートを切る。新たな叙情詩を奏でていく中で、廻り合せの妙に打たれしばし呆然とする《私》。その様子に読み手は、従前の物語に織り込まれていた絲の緊密さに陶然とする自分自身を見る想いがするだろう。幕切れの寥亮たる余韻は次作への橋を懸けずにはいない。

■収録
山眠る
走り来るもの
朝霧

■感想
前作の「六の宮の姫君」は芥川龍之介の同名小説を俎上に、芥川と菊池寛の関係を追求した番外編的な存在でしたが、本作では本来の路線の日常謎解き連作集に戻りました。
このシリーズでは落語家円紫さんの謎解き小説でありつつ、同時に「私」の成長小説でもあるのですが、本作では『謎解き』より『成長』の部分に重きが置かれていたように感じました。
いよいよ、大学を出て就職した「私」の初々しい働きっぷりと、ちょっとずつ現れるすこし気になる男性。
続編が気になるところですが、えらい長いこと続きでてないんですよねぇ
もう書かないのでしょうか…

相変わらず、文学や落語のペダンチックなネタが満載なのですが、全然、鼻につかずに書くのがさすがですな。

好きなシリーズなんですが、最初の二冊のほうが謎解き部分が面白くて好みでした。
前作を読んでからだいぶ開いてしまったので、主人公に対する思い入れがちょっと薄まってしまってたかもです。

読むのであればシリーズ一作目「空飛ぶ馬」からどうぞ!
文学/落語好きには特にお薦め。

■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆★
《薦》☆☆☆

朝霧 (創元推理文庫)
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投稿者 niimiya : 2009年09月30日 20:17

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