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2009年08月02日
【本】劒岳 <点の記>
劒岳 <点の記>
著者:新田次郎(1912~1980)
装画:唐仁原教久
出版:文春文庫 に 1 34 ¥686 P407
版数:新装1刷2006/1 16刷2009/6
ISBN:4-16-711234-5
初出:1981/1単行本刊行
入手:新刊購入 石垣島のマックスバリューの並びの本屋
読んだ日:2009/7/26
■内容(カバーより)
日露戦争直後、前人未踏といわれ、また、決して登ってはいけない山と恐れられた北アルプス、劔岳山頂に三角点埋設の至上命令を受けた測量官、柴崎芳太郎、器材の運搬、悪天候、地元の反感など様々な困難と闘いながら柴崎の一行は山頂を目ざして進んでゆく。そして、設立間もない日本山岳会隊の影が。山岳小説の白眉といえる。
■感想
映画「劒岳」の原作。
普段は、映画化されたからといって原作読んでみようとかあんまり思わないのですが、これは興味をそそられまして、石垣島いったついでに買ってきました。
自分では山登りなぞとてもしようとは思わないのですが、山岳小説って結構好きなんですよね。
(まぁ好きと言えるほど読んでないのはいつものことですが…)
まぁよく知らないのですが、北アルプスに劔岳ちゅう険しい山があって、だれも登ってなかったんですわ。
とはいえ、Google Earthとかない当時のことなんで、地図をつくるために、測量のためにはいつかは登らないといけないわけなんですなぁ
そんなおりに日本山岳会なんて趣味登山の団体もできて、劔岳に食指をのばしちゃってるもんですから、参謀本部の陸地測量部さんとしては、「民間人に先を越されるわけにはイカン!」みたいなことになるんですな。
そんなわけで、本作の主人公の柴崎さんってのが、プレッシャーを受けながらも、地元のシェルパ(みたいな人)長次郎とともに頂上を目指すという、実話をもとにしたお話。
ただ、まぁ普通の山岳小説みたいに頂上へ頂上へってわけでもなくて、そこはあくまで目標は測量なわけで、そのあたりの仕事にむけてのストイックさがなかなかいい味をだしてるわけです。
山登りのシーンはわりとあっさり描写で、夢枕獏みたいに流れる汗が伝わるような感じではないのですが、三角測量のやり方などを丁寧に描いてて面白かったです。
実話を元にしているので、フィクションのような派手なサスペンスはないですが、それでもさまざまな葛藤の中で、劔岳を目指す主人公に感情移入して一気に読み終えてしまいました。
映画もぜひみてみたいですねぇ。
■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆☆
《薦》☆☆☆
投稿者 niimiya : 2009年08月02日 20:55
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