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2009年03月03日

【本】ロゼアンナ

ロゼアンナ

原題:ROSEANNA
著者:マイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー
訳者:高見浩
装画:日暮修一
出版:角川文庫 赤520 4
版数:初版1975/3 12版1985/4
読んだ日:2009/1/?

■内容(内カバーより)
 さんさんと照る夏の日の午後、うら若い女性の死体が、遊覧船の行きかう運河から上った。
 何一つ身にまとわぬ無惨な姿。被害者の身元は?犯行現場は?容疑者は?綿密な聞き込みと手配にも拘わらず、僅かな手掛りもなく時は過ぎていく。やがて事件発生後三ヶ月、憔悴したマルティン・ベックの下に一通の電報が届く。“名前はロゼアンナ。アメリカ人……”。遙か海を隔てたアメリカ人刑事の協力を得て、マルティン・ベックは被害者の異常な性格が自ら死を招いたことを知る。”ミステリー界に君臨するキングとクィーン”と評されるヴァールー=シューヴァル夫妻のデビュー作。

■感想
ヴァールー&シューヴァル夫妻のマルティン・ベックシリーズの1作目。

読んだのは四作目の「笑う警官」のほうが読んだのは先だったんですが、遅ればせながら、最初の話を読んでみました。

運河で若い女性の死体があがるのですが、いくらたっても彼女が誰なのかの手がかりが得られない…という始まりのお話。

「笑う警官」同様こちらもおもしろかったです。
やるせない読後感もいいっ。

やはり、私には探偵小説より警察小説のが趣味にあう気がするなぁ。
エド・マクベインの72分署とかも読み出してやろうかなぁ

あぁ…「笑う警官」で悲しくスポットライトがあたるステンストルム君が、ちょい役で出てきてるでないですか…

■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆☆★
《薦》☆☆☆

■引用(P368より)
 小刻みに揺れ動く白い霧の中を、マルティン・ベックは肩を丸め、口笛を吹き吹き地下鉄の駅めざして歩いていった。彼を見やる人々が、そのとき彼の心中にあった思いを知ったなら、さぞかし驚いたにちがいない。
 さあマルティン・ベックのお帰りだぞ、と彼は胸の中でつぶやいていたのである。帽子には雪が積み、おれは歌をうたい、よろけながら歩いていく!元気かね、きょうだいや友人たち、足の下で雪が鳴る、冬の夜をおれは歩いていく。元気かね、人間たち。さあ電話をかけてストックホムの南に帰ろうじゃないか!地下鉄に乗って、おれの住むバガモッセンに。
 彼は家路についた。

ロゼアンナ (角川文庫 赤 520-4)

投稿者 niimiya : 2009年03月03日 23:18

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