« ほれでは、いってきまー | メイン | 春天吶喊 Spring Scream 1日目 »
2007年04月04日
【本】山口組三代目 / 飯干晃一
山口組三代目 1野暮篇/2怒涛篇
著者:飯干晃一
出版:1:徳間文庫 426-1 P186 ¥240 初1982/8 3刷1985/4 絶版中
2:徳間文庫 426-2 P185 ¥240 初1982/8 絶版中
ISBN:4-19-597344-9 / 4-19-597345-7
初出:アサヒ芸能連載、単行本刊行1971/2(徳間書店)
入手:古本屋
■内容(1巻カバーより)
淡路島出身の山口春吉が作業員50人を擁して神戸に山口組の看板をかけたのが大正4年3月。それが三代目田岡一雄の昭和39年には、424団体、9450人を配下にもつ最強最大の軍団になっていた。それはまた荷役、興行等、暗黒の巨大コンツェルンでもあった。英国製の高級背広を着用し、日に3度理髪店に行くという田岡一雄がいかにして地下王国を築いていったのか――アウトローの歴史を活写した気魄の野心作!
■感想
初代と二代目のことも描かれていますので、山口組の発祥から日本全国に拡大する黎明期の様子を知ることができます。
なんとなくしかしらなかった、美空ひばりや田端義男との関係や、鶴田浩二の襲撃の件、今話題(??)の吉本興業との初期の関係などが、ちょいとわかりましたよ。
アサヒ芸能に連載してたということもあってか、いまいち、暴力団肯定なのか否定なのか作者のスタンスがよくわからないんですけど…(暴力団否定の任侠礼賛なのかな???)
まぁ、そこはこの手の本には珍しいこっちゃないですかな。
あんまり、否定口調で書いてたら襲われちゃうしね(って、実際襲われたことあったよね飯干さんって)。
今の世の中からはなかなか想像できないですが、一昔前はこういう方々が表舞台を肩で風切って歩いていた時代がたしかにあったのですよねぇ。(裏の世界では引き続き肩で風切ってると思いますが…)
仁義なき戦いとか好きな人にはお勧めっす。
(ちなみに「仁義~」のほうも原作は飯干晃一っす。)
そうそう、上にも写しましたが、カバーに「日に3度理髪店~」って書いてあるのは本文だと「月に3度」なんですよねぇ、たぶんカバーが間違ってると思います。
どうでもいいことですが…
■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆☆
《薦》☆☆★
■引用(P141より)
法の裏側に、一つの王国が着々と建設されつつあった。彼らは合法的な世界から王国の資産を蓄積していた。その王国の帝王こそ山口組三代目であった。
その王国を華やかに彩るものは、美空ひばり、田端義夫らの歌手や、また俳優たちであった。そして王国を支える底辺には、船倉のなかに閉じこめられ、重量物とホコリと疲労のなかで働くアンコたちがいた。
山口組三代目は感傷にふけるわけにはいかなかった。田岡一雄は山口組の棟梁として、法の裏側の王国を築かねばならない運命を背負っていた。
人間とはいったい何だろう。
投稿者 niimiya : 2007年04月04日 23:02
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://niimiya.akatsukinishisu.net/mt3/mt-tb.cgi/794
コメント
おもしろそう。
今度機会があれば貸してくださいな。
投稿者 momo : 2007年05月07日 02:09
こりゃまた、
ず、ずいれぶんと、
よりによってな本に、
興味をしめされましたね ^^;
次の機会にぜひお持ちさせていただきます。
はい。
投稿者 niimiya : 2007年05月07日 22:49