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2006年12月08日
【本】続百鬼園随筆 / 内田百閒
続百鬼園随筆
著者:内田百閒
表画:芥川龍之介
出版:新潮文庫 う-12-2 P254 ¥438 初2002/5
ISBN:4-10-135632-7
初出:三笠書房 1934/9刊行
入手:新刊
■内容(カバーより):
好評を博した『百鬼園随筆』に続く内田百閒の第二随筆集。早熟の百閒17歳の作品「文章世界入選文」、親友の死を悼む「鶏蘇仏」「破軍星」、理不尽な世間の仕打ちに怒りが爆発する「立腹帖」「続立腹帖」等、初期の作品を中心に33篇を収録。諧謔精神に富む練達の文章と、行間に滲む我儘で頑固で、羞恥心いっぱいの百閒の素顔。ファン必読の名著が、読みやすい新字新かな遣いで復活。
■感想
作者の「のら」や「クルツ」にまつわる話は猫好きを大いに涙させてくれましたが、本作には友人の死を悼む稿が3作ほどのっていて、こちらもどうもしんみりときてしまいます。
また、17歳のときの作品も掲載されてたりするのですが、これが実にしっかりした文章…
歳はダブルスコアだっちゅうのに、わたしゃこの一割もまともな文章かけないっすヨ…
どの文章にも本人の人柄・性格が滲み出ていて実によいですなぁ。
しかし、本人も旧字旧仮名にこだわりもってたようですが、やはりこの人の文章はそちらで読んだほうがきっといいですなぁ。
繁体字の中でくらしているせいかなおさらそう思います。
日本にいたころころから古本屋でさがしてるんだけど、やっぱり人気あるのか結構高いのよねぇ…
あ、あと、前作同様、表紙がいいねぇ。
画 芥川龍之介っすよ。
質感もよいし、これだけで買う価値あるんじゃない?
■評価
《俺》☆☆☆
《薦》☆☆☆
■引用(P152 「鶏蘇仏」より)
鶏蘇仏の遺友は、君が生前の友誼のかたみとして、若き日と分れた。これから後の年月に、蚊柱の夕、落葉の暁を数えつくして、黄壌の君が僕を忘れる時があろうとも、僕は嘗て君と共に花を踏んで惜しんだ少年の春をいつまでも偲ぶであろう。
入る月の波きれ雲に冴え返り
投稿者 niimiya : 2006年12月08日 23:12
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