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2004年09月01日

【本】生ける屍の死 (DEATH OF THE LIVING DEAD)

生ける屍の死 (DEATH OF THE LIVING DEAD)
[著者]山口雅也
[出版]創元推理文庫 \980 P650 初1996/3
[入手]古本屋 \500 12刷(2000/2)
[内容](カバーより)
 ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った! この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が
 伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか? 自らも死者となった
 ことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、果たして肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか?
 著者会心の長編第一作、全面改稿による待望の文庫化。

■感想
推理小説です…がっ、世紀末なもんで(?)世界各地で死人が生き返っちゃってるって状況下。
そもそも探偵役の主人公からして真っ先に死んじゃってて・・・ ^^;

設定はジョージ・ロメロばりだけど、中身は真っ当な本格トリック謎解き小説。
ラストは関係者(死者含む)集っての名探偵(死人)の犯人当てシーンもあり!

ただ、俺は筋追うだけで、謎とか解いたりしないので、謎やら伏線とかちょっとうるさかったかな…
(そんなヤツが推理小説読むなっつの… ^^;)

でも、まっとうな推理小説好きにはかなり評判いいみたいです。
(何年か前の「このミス」のここ10年の国内1位でした)

ちょっと厚いですが、苦にならない人にはお薦め。

『死』にまつわるウンチクがいっぱい出てくるんですが、
全篇通してスラップスティックな雰囲気が漂っているんで、
全然、辛気くさくなかったっす。
個人的には小栗虫太郎ばりにオドロオドロしてるほうが好みかも

あ、アメリカの葬儀にちょっと詳しくなったぞ。
あっちでは、埋葬する前にエンバーミングっちゅう、死体長持ちさせ術を施して暫く生者とご対面できるようにしておいてから、埋葬(基本的に土葬)するそうな。
国土が広いから、遠くから縁者が来るまで死体を持たせておかなきゃいけなかったんですなぁ

うむうむ。

■評価

《俺》☆☆☆
《薦》☆☆☆

■引用(P616 第32章 生ける屍の死 より)

「死者が次々に蘇るこのおかしな状況の中で、なぜ、犯人は殺人などという無駄なことをした
のか?――俺たちは、こいつをまず考えなきゃならなかったんだ」

生ける屍の死 (創元推理文庫)

投稿者 niimiya : 2004年09月01日 23:00

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