2010年05月16日
【本】井上成美
井上成美
著者:阿川弘之
解説:佐伯彰一
出版:新潮文庫 あ 3 14 ¥680 P589
版数:1992/7初版
初出:1986/9 新潮社単行本刊行
入手:BOOK OFF ¥100
読んだ日:2010/4/17
感想書いた日:2010/5/16
■内容(カバーより)
昭和五十年暮、最後の元海軍大将が逝った。帝国海軍きっての知性といわれた井上成美である。彼は、終始無謀な対米戦争に批判的で、兵学校校長時代は英語教育廃止論をしりぞけ、敗戦前夜は一億玉砕を避けるべく終戦工作に身命を賭し、戦後は近所の子供たちに英語を教えながら清貧の生活を貫いた。「山本五十六」「米内光政」に続く、著者のライフワーク海軍提督三部作完結編。
■感想
以前同じ著者の「米内光政」を読んだ時に、こりゃ「井上成美」も読まなきゃなるまいと思ったのです。
だいぶ間隔はあいてしまいましたが、このたび読み終えました。
最後の海軍大将、井上成美の生涯が、著書の歴史観を下敷きに語られます。
元海軍の著者は、陸軍の暴走に海軍の一部も引きづられて避けるべき対米開戦に突入したという見方をしており、このような陸軍悪玉論的な見方には異論がある人もいるかもしれないですね。
私は詳しくないのでそういうもんかなと思いながら読んでました。
井上の生涯を、幼い頃から時系列にそって描くわけではなく、大戦前と大戦後を交互に描くことで、飽きずに読めました。
論理的、頑固、潔癖で毀誉褒貶の激しい井上を、過度に賛美することなく、ありのままに書こうとしていて好感がもてました。
井上氏自体も自分を英雄視されることを特に嫌う人だったようなので、この内容なら許してくれるのではないでしょうか。
非常に面白かったです。
■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆☆★
《薦》☆☆☆★
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投稿者 niimiya : 2010年05月16日 14:05
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