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2007年04月16日
【本】地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他7篇
地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他7篇
著者:芥川竜之介
解説:中村眞一郎
出版:岩波文庫 P234 初1956/1 15刷1970/6
初出:1917-1923 大阪毎日新聞ほか
入手:古本
読んだ日:2007/4/16
■収録
運
道祖問答
袈裟と盛遠
地獄変
邪宗門(未完)
龍
往生絵巻
好色
藪の中
六の宮の姫君
二人小町
■感想
芥川の作品の中で、今昔物語や宇治拾遺などから題材をとった平安時代を舞台にした一群の短編を王朝物と呼ぶそうです。
これはその王朝物を集めた岩波文庫の2冊目。
1冊目のほうには「鼻」とか「羅生門」が収録されております。
先日、芥川の王朝物にまつわる、北村薫の小説(そのものズバリのタイトル「六の宮の姫君」)を読んだ際に、気になって買おうとおもってたら…
部屋の片隅の未読書棚の中にひっそりあった…
買ったのすっかりわすれてたんですねぇ
しかも、旧字旧仮名版じゃないですか!
えらすぎるぞ>俺
はてさて、上にも書いたとおり舞台は平安時代なのですが、人間は非常に近現代的に描かれていて、芥川の小説らしく、悩み深い、業深い人ばかり。
内容の重さはあるものの、文章が実に美しいので読みにくいということはまったくないです。
文体は伝聞や独白や戯曲風だったりするのですが、どれも読んでるのに耳に心地よい感じを受けました。
この文章の素晴らしさを存分に堪能したい人には、古本屋をめぐって旧字旧仮名版を入手することを俄然お薦めしたい。
まぁとにもかくにもお薦め!
しかし、邪宗門が未完なのが実に惜しいなぁ…
ちなみに、岩波は「竜之介」表記なのだな…
世間的には「龍之介」のが一般的か?
どうでもいいけど
■評価(満点は☆☆☆☆、普通は☆☆、★は1/2)
《俺》☆☆☆★
《薦》☆☆☆
投稿者 niimiya : 2007年04月16日 13:33
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