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2006年11月19日
【本】邪魅の雫 / 京極夏彦
邪魅の雫
著者:京極夏彦
出版:講談社ノベルズ キF-13 ¥1600 P817
■内容(カバーより):
「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「――自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」
昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々と。警察も手を拱く中、ついにあの男が登場する!「邪なことをすると――死ぬよ」
■感想
京極堂シリーズ久々の新刊だよー
「陰摩羅鬼の瑕」が「姑獲鳥の夏」系の話だったとすると、本作は「絡新婦の理」系のお話かな。
私はこっちの系統のが好きですな、久々に複雑にからまった糸が最後にほどけるお話で大満足。
今回の事件の中心は榎木津でした。
彼が珍しくシリアスだったりします
そして今まで脇役感の強かった益田と青木が結構活躍!
「塗り仏~」で登場した、あの邪な男の影もちらりとでてきます。
そういえば、京極堂によるタイトル妖怪の解題のシーンなかったけど、あれはもうやらなくなっちゃったのかなぁ、好きだったのに…
次回作は「鵺の碑」だそうです。
はて次は何年後でしょうか?
■評価
《俺》☆☆☆★
《薦》☆☆☆★
■引用(P12より)
貴女の呉れた雫が果たして邪悪なものだったのか否か、私には判断することが出来ない。ただ、それがどれだけ邪なものであったとしても、勘違いをしていた私にとって、それは限りなく魅惑的な一滴であったことは疑いようがないことである。
邪魅の雫――。
私は邪魅の雫に吸われてしまったようだ。
投稿者 niimiya : 2006年11月19日 23:48
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