2002年12月15日
【本】四十七人目の浪士
四十七人目の浪士
著 池宮彰一郎
出 新潮文庫 \438 P286 ※絶版
■感想
赤穂四十七士の中でただひとり生き残った、足軽・寺坂吉右衛門の討ち入り後を描く中編連作4篇。
同じ著者の「四十七人の刺客」の後日譚的な作品。
内蔵助から生き残ることを命ぜられた吉右衛門が、彼なりの侍の一分をたてて生きていく様を描く。
討入り後の寺坂吉右衛門の行動については、討ち入り後に命が惜しくなって逃げたとする「逃亡説」と
討ち入り仔細を後世に伝えるためとする「使命説」などがあるが。
本作では、逃亡説を否定し、使命説をとっている。
前作のような興奮はないが、消化不良だったところが、すっきりした感じで読む価値あり。
柳沢吉保との決着もついて溜飲もさがったしね。
■評価
評価 ☆☆★
お勧め ☆☆☆(四十七人の刺客を読んだ人限定)
■引用(P21 仕舞始より)
出て行きかける吉右衛門に、内蔵助は、最後の言葉をかけた。
「寺坂吉右衛門。そちの盟約は解かぬ。そちは何年何十年生き延びようと、四十七名の一人である」
投稿者 niimiya : 2002年12月15日 21:06
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